最近は電気料金の高騰が一向に収まりません。
電気料金が高いからか、太陽光パネルの需要が高まっているというニュースもよく見かけます。
だけど、北海道を始め積雪の多い雪国に住む人にとって太陽光パネルの採用は、ハードルが高く感じるのではないでしょうか?
というのも、太陽光パネルは上に雪が乗ると全く発電しなくなるので、3~4か月も積雪期が続く地域だと元が取れるのか不安になると思います。
かくいう私たちも12月から3月まで雪が積もる北海道のとある地域に住んでいますが、最初は太陽光パネルを採用することに消極的でした。
でも、家づくりを検討していた頃に出会った自分たち好みの建売に太陽光パネルが付いていたので、結果的にわが家には太陽光パネルがあります。
オプションでわざわざ付けるのは抵抗あるけど、最初から付いてるならまあいいか…という感じでした(笑)
雪国での太陽光パネル採用には半信半疑でしたが、この家に1年住んでみて太陽光パネルがどのように雪国で機能するのかが見えてきました。
雪国でもちゃんと元が取れるのか?災害対策としての機能は果たせるのか?について皆さんに共有したいと思います。
①元がとれるの?
わが家の検証結果
太陽光パネルの設置で一番気になることは、そもそも元が取れるのかですよね?
1年の内3,4か月も積雪で発電できないような雪国では、なおさら心配になるでしょう。
私たちも元が取れるのかについては入居当時から興味があったので1年かけて調べてみました。
こちらの記事で紹介していますので、後で読んでみて下さい。
この検証の結果として、
私たちの家では…
・3kwの太陽光パネルだと1年間の利益は約10万円
・3kwの太陽光パネル導入費用が80万だとすると約8年で元が取れる
結論として雪国でも太陽光パネルの元は取れるようです。
良くも悪くも、最近はさらに電気代が上がったのでもっと元が取りやすくなってます
ホントいつまで上がり続けるんだろうね泣
雪国ならではの注意点
雪国でも元がとれることは分かりましたが、注意点がいくつかあります。
①メイン暖房を電気暖房にしないこと
②自家消費できる分のパネルを載せること
まず①についてですが、
つまるところ、冬の降雪期は太陽光パネルが使い物になりません。
なので、メインの暖房を電気暖房にすると発電できないのに大量の電気が消費されてしまいます。
とくにエアコンはヒートポンプという外気の熱を利用する仕組みになっており、建物内外の温度差が大きいほど電力効率が悪くなるという性質があります。
なので、気温が低い雪国だと消費電力量が大きくなることに注意が必要です。
電気料金が安かった一昔前は北海道でもオール電化住宅が流行りましたが、自分の周りの人たち曰く、現在では冬の電気代が10万円を超えるようなことになっているようです。
ということで、暖房の燃料としては電気ではなく、ガスや灯油(わが家は灯油)がおすすめです。
②については、売電価格の低下と買電価格の高騰が大きく関わってきます。
固定価格買取制度(FIX)が始まった2012年当時は1kw当たり40円を超えていた売電価格ですが、2024年現在は16円と半額以下になっています。
売電価格が下がる一方、買電価格についてはここ何年も高騰しています。
固定価格買取制度が始まった当時は、発電した電気を自家消費するよりも売ったほうがお得でした。
だけど今となってはできるだけ自家消費に回して、買電を極力減らすほうがお得になっています。
売電価格が安すぎて、売電だけだと元を取るのは難しい!
売電だけで元を取ろうとすると…
年間発電量(パネル1kw当たり)
約1,000kw/年
売電価格
16円/kw(2024年現在)
年間売電価格
年間発電量×売電価格=1,000kw/年×16円/kw=16,000円/年
太陽光パネル設置費用(パネル1kw当たり)
約260,000円
元を取るのに必要な年数
太陽光パネルの設置費用÷年間売電価格=260,000円÷16,000円/年≒16年
売電だけで元を取るには16年程度必要という計算になりました。
ただし、この計算では部品の交換費用等は計算に含めていません。
例えば、太陽光発電に必要なパワコンの耐用年数が10~15年ほどで交換費用が約20万円と言われています。
ようやく元が取れるという時期に高額な交換費用がかかることになるので、やはり売電だけだと元を取るのが難しいと言えます。
わが家はの太陽光パネルは3kwと小容量ですが、ちょうど使いきれるくらいなので、結構おすすめです
災害に強くなるの?
春~秋は無敵!
台風や地震などの自然災害が近年増えてきていると思います。
東日本大震災、熊本地震、最近は能登半島地震など、地震はとりわけ大きなものが頻発しています。
そうした自然災害が発生すると停電も付き物ですよね。
私たちが住む北海道も平成30年の胆振東部地震で全域的に停電したことがありました
当時住んでいた地域も数日間停電が続いて大変な思いをしたね
お家で太陽光発電ができると、そうした停電に対する不安がなくなります。
天気にもよりますが、わが家の3kwの太陽光パネルでも一日の使用電力をおおよそ賄えるので、停電したとしてもほぼ普段通りの生活ができるでしょう。
金銭的なメリットはもちろん大事ですが、安心して暮らせるという精神的なメリットもすごく魅力的だなと住んでみて実感します
冬は全然ダメ…
冬以外は十分に発電できる一方で、雪国ならではの事情として、雪の影響で冬は発電ができなくなってしまいます。
発電ができないということは太陽光パネルが無いのと同じなので、当然、停電には弱いです。
暖房が無いと凍え死んでしまう冬こそ発電して欲しいんですけどね
わが家のセントラルヒーティングは灯油暖房ですが、起動や不凍液の循環に電気が必要なので停電だと使うことができません。
セントラルヒーティングだけでなく、お家全体を暖められるようなメイン暖房の設備は大抵、停電だと動かないでしょう。
ちなみにわが家では冬の停電対策としてカセットガスストーブを備えています。
電気が無くとも動かせるので、これがあればひとまず安心です
まとめ
・雪国でも太陽光パネルの元は取れる
→自家消費が効率◎
・災害に強くなる
→安心して生活できる
・冬はやっぱり発電できない
→メインの暖房は電気暖房にしない
→冬の停電対策が必要
わが家はセキスイハイムの建売だったけど、
・自家消費できるだけのパネル容量
・メインの暖房は電気暖房じゃない
とポイントを押さえられていたので、
全部プロが考えてくれているという建売のメリットを改めて感じました
ちなみに…太陽光パネルの除雪について
雪国での太陽光パネルの発電量を最大化するために、冬は毎日、パネルの除雪をしたらいいんじゃないかと考える方も多くいらっしゃると思いますので、それが現実的かどうかをお話しします。
一言に北海道と言っても、降雪量は地域によりけりですが、私たちの住む地域は年間降雪量が1m程度の場所でほぼ毎日雪が降っています。
日中もずっとマイナス気温なので雪は解けません笑
私たちも最初は、冬も毎日除雪する気でいましたが、次の理由で断念することにしました。
・屋根にパネルを設置しているので毎日屋根に上らないといけない
→重労働×危ない
・除雪してもたいして発電しない
→冬季は曇りが多いし、日照時間も短い
→日中も降雪が多いので朝一で除雪してもすぐにパネルに雪が付く
先ほど紹介したわが家の太陽光発電結果の記事にも載せていますが、雪の無かった10月の発電量が187kwでした。
わが家の売電価格が17円/kwなので、全部売ったと仮定すると約3,000円です。
例えば、常に除雪し続けて雪の影響を完全になくしたとしてもこの程度だということです。
さらに言えば、冬季は日照時間がさらに短くなるので、間違いなくこれを下回る結果になると予想されます。
月3,000円を下回るお金のために、ほぼ毎日屋根の除雪をするのはリスクとコストが見合わないでしょう。
最近の家は屋根の除雪が不要なことが多いから、除雪作業がバカらしく感じます!
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